「夢Duo+1/ゆっくり夢見」 加藤崇之(G)/宅シューミー朱美(Vo)/是安則克(B)

1曲目の「You must believe in spring」の、どこまでも沈み込んでいくような深い唄に、いきなり別世界に連れて行かれたような気分になる。
エバンスの演奏は透明で痛々しい美しさだけど、このシューミーさんの唄は、もっと生温かくて人間臭く、どうしようもない苦悩や哀しさや孤独感が凝縮されている・・・ような気がする。
昨年の暮れに「なってるはうす」で観た、シューミーさんの唄う姿が目に浮かぶようだ。
そこに是安さんの重く沈みこむ、そして、どこまでも誠実で丁寧なベースが絡んでくると、不思議な暖かさに包まれてしまう。
2曲目の「All the things you are」での加藤さんのエフェクターを駆使した浮遊感漂う音響世界も魅力的・・・そこにちょっとハスキーなシューミーさんの唄で、雲のように漂うギターの音響の中にすっと芯が通るような感じになる。綿菓子の中心の棒みたいな。
そして、是安さんのゆったりと沈み込むようなベース。
なんという完成度の高さだろうか・・・
もう一度、是安さんを聴きたい・・・
そして、4曲目の「まわる まわる 目がまわる」から一転して、日本語の歌詞のフリーっぽい音楽となる。
いわゆるアングラな感じ。歌詞も、アングラで直接的。
こういった感じは好き嫌いが分かれるかもしれない。
僕は好き。
なんというか、胸が熱くなるような、涙が流れるような音楽だ。
アヴァンギャルドだけどクラシカル。クラシカルだけどアヴァンギャルド。
アルバム全体を通して、非常に完成度の高い音楽がある。独特の夢見るような暖かい世界がある。何度も何度も聴きたくなる・・・そして、深く心の奥底でいつまでも響いている。
是非多くの人に聴いて欲しい。
こんな二人のライヴをSweet Rainでやれるなんて、なんて幸せなんだろう。
3月24日(土)のSweet Rainは、「夢DUO 加藤崇之(G)/宅シューミー朱美(Vo)」。
19:30スタート、2ステージ、MC:2,000円、学割MC1,500円です。
宣伝というよりも、一人でも多くの人に聴いてもらいたい音楽だから紹介したい。
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