スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

現場幹部の経営戦略理解の必要

◆現場幹部の経営戦略理解の必要性
   
企業/強さの条件という日経の連載で、中堅造船の常石造船の大型設備投資の事例が紹介
されていました(2011年3月7日付け日経朝刊)。
内容を要約すると、「常石造船は2007年に当時の年間売上高の4割に当たる700億円の設備
投資をおこなった。その投資判断の理由は、新興国を中心に穀物や資源の輸送需要が高ま
ることへの対応が必要だと言うことと、中国を中心とする造船所の能力増強の動きから、
いずれは中国や韓国を中心とした安値攻勢が強まり、勝ち抜くためにはコスト競争力が不
可欠であり、規模で対抗することが必要だと言うことであった。その一大決心の大型投資
がうまくはまった。」というものです。

ポーターの提唱した有名な事業戦略の考え方として、コストリーダーシップ戦略、差別化
戦略、集中戦略という3つの基本戦略の方向性がありますが、ここでは、これからの造船
業界を分析した結果、コストリーダーシップ戦略を採るべきだと判断し、大きな戦略的投
資を実行したということになります。
コストリーダーシップ戦略とは、ターゲットをその業界全体に広く設定し、低コストを競
争優位を築くための手段とする戦略であり、この戦略を採る場合には、競合に負けない価
格設定をしても黒字を維持できる体質を構築することが重要になります。そして、そのた
めの大きな投資の経営判断が必要になるのです。

しかし、緻密な分析による現状把握なくして、このような多額の投資を決定するようなこ
とは科学的な経営とは言えません。
この戦略では勝つことができるのは競合の中での上位1社から2社の企業だけになるので、
失敗した場合には、経営の危機に直面することにもなるため、より慎重で客観的な市場環
境の分析が必要になるのです。

常石造船では、ポーターの理論書を読みこなし、事業にどう役立てるのかという勉強会を
定期的に続けているということです。
経営陣が、戦略的な思考の重要性を理解し、ポーターの5フォース分析等を使った市場環
境分析を継続的におこない、その分析結果をベースとして、大胆な、しかし経営理論に合
致した戦略の方向性を打ち出したことが常石造船の成功要因だと考えられます。

また、それだけではなく、トップの戦略を理解して、具体的に何に投資することがコス
トリーダーシップ獲得のためには必要かを見極めることができる優秀な現場の幹部社員が
育っているところに、成功の大きな要因があるのではないでしょうか?
どこに重点投資するかを決めるのは経営者ですが、具体的に投資をどのようなことに使う
のか、成果を生み出すためにはどうすべきかを考えて実行するのは現場の幹部社員なので
すから。

即効性はなくても、未来を見据えて、科学的な経営戦略の基本を地道に学ぶことで企業の
基礎体力を強化することが重要なのではないでしょうか。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

マスターDH

Author:マスターDH
マスターDHです。
普段はマーケティングコンサルタントとして働き、週末は中野のジャズダイニングバー「Sweet Rain」で居るだけマスターをしています。ジャズ、プログレ、クラシック、民族音楽と雑食性ですがかなり偏食でもあります。今だに、コニッツのようにアルトを吹くことを夢見ています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。