マーケティング視点でSweet Rainを考える①
Sweet Rainってどんな店なのかをマーケティングの視点で考えてみたいと思う。
マーケティングの視点といっても色々とあるが、まずは基本の基本であるフィリップ・コトラー大先生の唱えるマーケティングの基本プロセスをベースに考えてみたい。
コトラー大先生は、マーケティングの基本プロセスとして、5つのステップを示した。
①調査(Research)、②セグメンテーション(Segmentation)/ターゲティング(Targeting)/ポジショニング(Positioning)、③マーケティング・ミックス(Marketing Mix)、④実施(Implementation)、⑤管理(Control)である。
特にS(Segmentation)、T(Targeting)、P(Positioning)がマーケティングの方向性を決める土台だと考えられている。
セグメンテーション(Segmentation)とは大きな漠然とした市場を、「同じような傾向をもつ人達」の集団(セグメント)に分けることである。
そして、T(Targeting)とは、そのセグメントの中でどこを狙うかを決めることである。
ジャズライヴ&レストランを開店しようとした場合のセグメンテーションの切り口はどのようなものが考えられるか?
まず、当然、ジャズが好きな人というセグメントがある。これを更に細分化する。
例えば、年齢や性別で細分化すると、20歳代女性のジャズ・ファン、50歳以上の男性ジャズ・ファンというようなセグメントの分け方が考えられる。
また、好きな度合いで細分化すると、レコードを何百枚も持つコアなジャズ・ファンや最近聴き始めた初心者ジャズ・ファンといったようなセグメントの分け方が考えられる。
セグメントは細分化すればするほど、訴求すべき価値は明確になるが、市場規模は小さくなる。
例えば、ブルーノート東京は、20歳代から50歳代までの幅広いジャズ・ファン(音楽ファンといった方がよいかもしれない)というかなり広いセグメントをターゲットとしているように感じる。
一方、ブルーノート東京の近くにあるボディ&ソウルは、年代は同じくらいだが、もっとコアなジャズ・ファンをターゲットにしているようだ。
また、西荻窪のアケタの店は、フリー・アングラ系が好きなコアなジャズ・ライヴ・マニアをターゲットにしているようである。
どのようなセグメントをターゲットにするかは、お店の資本力とビジョンに大きく左右される。
大きな資本力があり、一定規模以上のビジネスをしたければある程度広いセグメントを狙うべきであるし、資本力がない場合はニッチなセグメントにターゲットを絞るべきである。
では、Sweet Rainのセグメンテーションとターゲティングはどうなのか?
「生粋のジャズ・ファンからちょっとジャズに興味がある人まで幅広く狙いたい」
という、実に曖昧で幅広いターゲティングである。資本力もないのに・・・
マーケティングの失敗事例そのものである。
しかし・・・「誰が何と言っても、コアなファンだけが集まるような店、常連だけの閉鎖的な店にはしたくないんだ!」といった頑固な経営者の声が聞こえて来そうである。つづく。
マーケティングの視点といっても色々とあるが、まずは基本の基本であるフィリップ・コトラー大先生の唱えるマーケティングの基本プロセスをベースに考えてみたい。
コトラー大先生は、マーケティングの基本プロセスとして、5つのステップを示した。
①調査(Research)、②セグメンテーション(Segmentation)/ターゲティング(Targeting)/ポジショニング(Positioning)、③マーケティング・ミックス(Marketing Mix)、④実施(Implementation)、⑤管理(Control)である。
特にS(Segmentation)、T(Targeting)、P(Positioning)がマーケティングの方向性を決める土台だと考えられている。
セグメンテーション(Segmentation)とは大きな漠然とした市場を、「同じような傾向をもつ人達」の集団(セグメント)に分けることである。
そして、T(Targeting)とは、そのセグメントの中でどこを狙うかを決めることである。
ジャズライヴ&レストランを開店しようとした場合のセグメンテーションの切り口はどのようなものが考えられるか?
まず、当然、ジャズが好きな人というセグメントがある。これを更に細分化する。
例えば、年齢や性別で細分化すると、20歳代女性のジャズ・ファン、50歳以上の男性ジャズ・ファンというようなセグメントの分け方が考えられる。
また、好きな度合いで細分化すると、レコードを何百枚も持つコアなジャズ・ファンや最近聴き始めた初心者ジャズ・ファンといったようなセグメントの分け方が考えられる。
セグメントは細分化すればするほど、訴求すべき価値は明確になるが、市場規模は小さくなる。
例えば、ブルーノート東京は、20歳代から50歳代までの幅広いジャズ・ファン(音楽ファンといった方がよいかもしれない)というかなり広いセグメントをターゲットとしているように感じる。
一方、ブルーノート東京の近くにあるボディ&ソウルは、年代は同じくらいだが、もっとコアなジャズ・ファンをターゲットにしているようだ。
また、西荻窪のアケタの店は、フリー・アングラ系が好きなコアなジャズ・ライヴ・マニアをターゲットにしているようである。
どのようなセグメントをターゲットにするかは、お店の資本力とビジョンに大きく左右される。
大きな資本力があり、一定規模以上のビジネスをしたければある程度広いセグメントを狙うべきであるし、資本力がない場合はニッチなセグメントにターゲットを絞るべきである。
では、Sweet Rainのセグメンテーションとターゲティングはどうなのか?
「生粋のジャズ・ファンからちょっとジャズに興味がある人まで幅広く狙いたい」
という、実に曖昧で幅広いターゲティングである。資本力もないのに・・・
マーケティングの失敗事例そのものである。
しかし・・・「誰が何と言っても、コアなファンだけが集まるような店、常連だけの閉鎖的な店にはしたくないんだ!」といった頑固な経営者の声が聞こえて来そうである。つづく。
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